コロナ以降、人々のライフスタイルが変わっていく中で、よく耳にするようになった言葉に「FIRE」があります。これはFinancial Independence, Retire Earlyの略で、経済的に自立して早くリタイアしようという意味です。私が資産形成を始めた理由は、早く会社員を卒業できたらいいなという思いからだったので、まさにこの「FIRE」という概念は自分にピッタリでした。実際、私もFIRE達成が目前の状況です。このブログで、FIREの意味とその達成方法や種類について理解してもらえるよう、解説していきます。
FIREが流行した背景について
FIREは、会社に縛られず自由な生きるという考え方ですが、このアイディア自体は新しいものではありません。従来と大きく違う点は、一部の富裕層だけではなく一般的なサラリーマンでも、しっかり資産形成を行えばFIREを達成する事ができるという点です。
私は10年以上前から資産形成をしていますが、FIREという概念を知るまでは、自分が30代後半で経済的自由に到達できるとは思っていませんでした。FIREという概念を知って、私の人生の可能性は大きく広がったと思います。
このムーブメントはまずアメリカで始まり、その後、日本でも先駆者の出現により一般的に広がっていきます。アメリカと日本でFIREムーブメントを広げた先駆者2名の本について紹介します。この2冊はFIREを目指す人には個人的に超おすすめです。モチベーションが上がりますよ。
FIREするための条件とは
4%ルールについて
これは、トリニティ大学の論文が基になったもので、FIREを目指す上で、最も重要な考え方です。その実験は、100人の退職者がその資産を株式市場に投じ(株式と債券は50%ずつ)、そのうち4%分のみを毎年引き出して生活した結果、95%以上の人がその資産を30年以上持続する事ができた、というものです。この根拠は、米S&P(アメリカ代表的株式を集めたもの)の成長率7%から、アメリカの平均インフレ率3%を差し引いて導かれています。
株式市場(アメリカ)は常に上げ下げを繰り返していますが、過去80年以上の歴史を見れば、結果的には右肩上がりで上昇しています。あなたは、FIREに必要な資金を安定した成長が見込めるインデックスの投資信託にあずけ、株式市場がいかなる動きを見せようとも動揺せずに、ただ淡々と毎年4%の資金を引きだすだけで良いのです。
FIREに必要な資金はいくらか
上記の計算に従えば、あなたがFIREするうえで必要な資産がすぐ計算できます。それは、あなたが年間に必要な生活費に25をかければ算出できます。
例えば、20万円/月で生活している人は年間で240万円が必要です。この金額25倍をかけた金額=6,000万円がFIREに必要な資金となります。4%ルールはアメリカの物価上昇率や税金をベースにした考え方なので注意は必要ですが、日本でもこの数字をひとつの基準にする事は可能です。
考え方によっては、物価上昇率の低い(低成長)日本にいながら、米国市場に投資することで、あなたはアメリカの経済成長(物価上昇)の恩恵を受けながら、物価の安い日本で生活する事ができるというメリットも生まれます。また、2024年から始まるNISA枠を使えば、1,800万円分は非課税で資産運用する事も可能です。
FIREは独身者に有利
FIREの資産を貯めるのは大変な作業です。しかし、私は独身者にこそ大きなアドバンテージがあると考えます。一般的には結婚、出産、マイホーム購入などのお金のかかるイベントがない分、普通の家庭より6,000万円の支出を簡単に抑える事ができるためです。
FIREの種類も色々ある
FIREといっても様々なスタイルがあります。資産さえあれば、必ずリタイアする必要もありません。負担の少ない仕事をしたり、フリーランスになってみたり、人生の可能性を大きく広げることができます。
FAT FIRE (ファット)
資産がたくさんあって、働かなくても金融資産からのインカムゲインだけで十分リッチにくらせるFIREを言います。むかしの早期退職のイメージに近いかもしれません。歌手の安室奈美恵さんもFAT FIREと言われていますね。
憧れの的ではありますが、事業で大きな成功をしたり、親が相当の金持ちなどでない限りここに到達するのは難易度が高いです。
LEAN FIRE(リーン)
資産収入だけで生活しますが、できるだけ質素に倹約生活を送ることで達成するFIREを言います。日々の暮らしがリッチでなくとも、倹約生活を楽しむ事ができる人に向いています。
人によっては、こんな窮屈な生活は嫌だと感じる人がいるかもしれません。ちなみに、私も倹約タイプではありますが、過度に質素な生活はしたくありません。
COAST FIRE(コースト)
資産収入のみで生活可能ではあるが、趣味的に仕事をしていくFIREを言います。社会とのつながりを途絶えさせず、人のためになる仕事や、自分が取り組んでみたかった仕事に挑戦したい人に向いています。
私が目指すFIRE像はまさにこれです。企業の一員として働く事にはもう満足したので、今後は自分がやりたい仕事に挑戦したいと考えています。(このブログもそのひとつです)
BARISTA FIRE(バリスタ)
資産収入と労働収入で生活するタイプで、いわゆるサイドFIREと呼ばれるスタイルです。負荷の高いフルタイムのサラリーマンを辞めて、カフェで週3日くらい働いて悠々自適に暮らすイメージです。
一般的なサラリーマンにとって、もっとも実現しやすいタイプで、仕事内容はパートタイムや派遣社員など、自分の希望するスタイルを選べる事が利点です。
FIRE後の人生を描くことが重要
サラリーマンを辞めて何がしたいのか
今まで10年以上をサラリーマンとして、週5日X8時間の労働を行い、毎月決まった日に給料をもらう生活をしてきた人間にとって、会社員を辞めたあとに何をするか?は重要な課題です。
収入面での不安がなくなったとしても、社会と断絶されてしまえば、人は孤独感を覚え、精神的に不安定になります。今までサラリーマン一筋だった人が、引退後に友達も趣味もやりたい事も何もなく、ただ老いていくケースに似ています。
しかしプラスに考えれば、目的を持ってFIREすれば、今まで労働に使っていた時間を自分がやりたかった事に使う事ができます。全く新しい仕事に挑戦したり、趣味に没頭することも可能になり、自分の人生をより楽しむ事ができるのです。私は一般的なFIREという言葉に拘らず、自分なりの生き方を探っていきます。このブログのタイトルを「新FIRE生活」と決めたのもそのためです。
FIREを卒業した人も多くいる
FIREを達成した人の中でも、FIRE生活が性に合わず、またサラリーマンに戻る人もいます。自由すぎる生活が合わなかったり、収入が不安定になる事に耐えられなかったり、または、会社員として新しい事を学ぶ為だったり、その理由は様々です。
人生は色々な選択肢があります。自分の可能性を探りながら経験を重ね、もっとも自分が楽しいと思える人生を送ることが一番の幸せです。FIREは人生のひとつの選択肢に過ぎず、どんな人生を歩んでいくかは、自分が決めればよいのです。
まとめ
私自身のFIREに対する思いも交えながら、FIREについて紹介しました。会社員をいつか辞めたいと思っている人にとって、FIREという選択肢が身近にある事を感じてもらえたと思います。
どんな人生を歩むのも自分次第です。どうせなら、やりたい事をやりきる人生を送りたいと私は思っています。もしやりたい事があるけれど、サラリーマンとして悶々と生きている人がいるなら、ぜひFIREに挑戦してほしいです!
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